「痙性」と「痙縮」の違いとは?脊髄損傷の症状をわかりやすく解説

基礎知識

当事者の方から、よく

SCIの方
SCIの方

痙性と痙縮って何が違うんですか?

という質問をお受けすることがあります。

結論から言いますと「大きな差はなく、同義語として扱って良い」と考えています。
しかし、細かな面でいうとニュアンスの違いはあると考えられるため、解説していきたいと思います。

痙性の細かい内容に関しては、以下の記事にまとめてますのでご参照下さい。

痙性(Spasticity)とは?

一般的に、

筋肉が不随意に収縮し、筋緊張の増加を伴う状態、脊髄損傷などによる神経の障がいにより、筋肉が伸ばされると反射的に強く収縮する現象のこと。

とされています。
時には、後ろに「麻痺」という言葉が付いて、「痙性麻痺」と呼ばれることもあります

つまり、痙性とは、筋肉の緊張の調節が上手くいっていない状態のことを差す単語ということになります。

痙縮(Spasm)とは?

一般的に、

筋肉が突然不随意に収縮する発作的な状態。発作的な痙攣(けいれん)やこわばりを指す。

とされています。
痙性は痙性麻痺と呼ばれることがありますが、痙縮は痙縮麻痺と呼ばれるケースは経験したことがありません。
その理由として、痙縮は実際に筋肉に持続的・もしくは周期的な筋収縮が起こっている状態のことを差す単語であるからと考えられます。

医療現場での使われ方

病院によって、どちらの単語を優先して使用するのかは分かれることが多いですが、日本語では「痙性」も「痙縮」も同じように使われることが多く、厳密に区別されていない場合がほとんどであると考えられています。
しかし、医療現場では「痙性麻痺」などの診断名で痙性が使われることが多いのに対し、「痙縮」はより具体的に筋収縮の発作的な症状を指す場合に使われることが多いため、やはり「概念や性質」を表す痙性に対して、「実際の症状や状態」を表す痙縮という理解が一般的と考えられます。

まとめ

本記事では、脊髄損傷に関する一般的な情報をお伝えしました。お読みいただき、ありがとうございました。
なお、本記事の内容は医学的助言を提供するものではなく、情報提供を目的としています。健康状態やリハビリについては、医療機関や専門家にご相談ください。
皆さんの生活に役立つ情報を今後も発信していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

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脊髄損傷研究所

認定理学療法士(脊髄障害)/脊髄損傷の方を100例以上担当/再生医療/BMI/「無知こそ最大のリスク」をテーマに、脊髄損傷の当事者の方に向けて、脊髄損傷に関するトピックスを、医学的な知識がない方でも理解ができるよう、分かりやすく解説するブログ「SCI LAB」を運営。

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