今回から、Xに投稿した内容を中心に、その週にインパクトのあった脊髄損傷のニュースを抜粋して解説していきたいと思います。
脊髄損傷に関する最新情報を効率良く知りたい!
ニュースに関して、専門家の意見が聞きたい!
という方は、是非ご覧いただければと思います。
傷付いた軸索を再生する分子を発見~有効な末梢神経再生方法の開発に期待~
1970年代までは、「傷ついた神経(軸索)は再生しない」ということが通説となっていましたが、ここ50年の医学の進歩により、「神経は回復・再生する」という考えに変わってきています。
しかし、その回復メカニズムは明確になっていない部分も多いです。
また、中枢神経に対して末梢神経は再生速度や量は十分ではなく、傷付いた領域の痛みや運動障害が残存しやすくなっており、さらに回復を高めるための治療法の検討がされていました。
今回の研究では、鈴木らは、
●シュワン細胞が細胞表面で発現する分子「GFRα1」が軸索の再生を促進することを発見。
https://www.hokudai.ac.jp/news/2024/12/post-1694.htmlより引用
●GFRα1は受容体の機能だけでなく、損傷した軸索に直接結合し再生を促進する機能も兼備。
●GFRα1の投与によって、末梢神経損傷後の機能回復が促進。
と報告しています。
この研究によって、回復のメカニズムがさらに明確になったとされており、特に末梢神経損傷に対する神経回復の新たな治療法の開発が期待されます。
詳しくは、
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/241210_pr.pdf
こちらもご参照下さい。
桜十字先端リハビリテーションセンターSACRAが共同開発した、手指麻痺を支援する新しいリハビリ機器Naremが特許を取得!
こちらの記事はXでもご紹介し、たくさんの方にフォローいただきました。
以下ポストになります。
近年ロボットを使用したリハビリテーション治療が注目されており、様々なデバイスが開発されています。それぞれベースとなる概念があると思いますが、この「narem」はミラーセラピーの概念を用いた上で、その問題点であった「1人で行うことが難しい」という部分を解決しました。
このデバイスは、動く方の手指の動きを感知し、動作分析します。
その上で、特殊なグローブを麻痺側に使用し、動く方の手指の動きを真似て行わせることで、麻痺側の機能向上を図るということになります。
また、このデバイスのメリットとして、慢性期の利用者様においても回復がみられたという報告もあり、今後回復期以外の病期においても利用される可能性があるデバイスと言えます。
問題点としては、脊髄損傷の方の場合、両手が麻痺している方も多く、「健側の動きをロボットに覚えさせ、麻痺側で動かす」ということが困難なケースもあります。ここをどのようなアルゴリズムでクリアするのかが課題となります。
おわりに
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